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社会不安の人が受けやすい誤解(あえて装う別人格)

攻撃的な人って、どうしてああいう態度を取るの?

動物も昆虫も、『擬態』をして天敵から自分の身を守ります。もしかしたらそういう人は、何か理由があってカモフラージュしているのかもしれません。

先生

今回考えるのは、妙にとか、無駄にという印象が強い、変な態度を取る人についてだよ!もしかしたら深い理由があるかもしれないんだ!
更に詳しく知りたい人は、以下の記事を見るっす!

ハニワくん

周りを威嚇して本当の自分を隠す

社会不安の一つ、社会恐怖の人が受けやすい誤解として、周りから『攻撃的な人間』だと思われることがある。それは、自分の無知さ、無力さを人に晒すことが出来ずに、あえて『乱暴者』を装い、カモフラージュする。擬態するのだ。

 

 

動物も昆虫も、擬態する。擬態する理由は往々にして、天敵から身を隠すためだ。もちろん、自分のエサとなる相手にばれないようにするということもあるが、ここで共通するのは、前者の方である。考え方としては、擬態し、やり過ごす。ここが一致しているのである。

 

社会恐怖の人が自らの弱さを見せまいとする傾向は強く、家族にさえ何も言わない人もいる。『他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学』(紀伊国屋書店)にはこうある。

ある若い男性は、社会恐怖であることを隠すために、頭をスキンヘッドにしてパンクロッカーのような格好をするようになった。彼は言う。

『こういう格好をしていれば、誰も俺の方を見ようとしない。それでこっちも気が楽になるんだ。』

彼は周りを威嚇することで、自分自身の不安から逃れられると感じたのである。

 

先生

社会恐怖の人が受けやすい誤解には、周りから『攻撃的な人間』だと思われることがあるんだね!だけど、『誤解されない人』も世の中にはいるわけだ!ということは、何かをひた隠し、カモフラージュ的に『別人格を装った』可能性が高いね!
その『何か』が、コンプレックスなんすね!

ハニワくん

この章のまとめ
  • 動物も昆虫も、擬態する。擬態する理由は往々にして、天敵から身を隠すため。
  • 別人格を装う人間も同じように、自分を『敵』から守るためにそうする。

ある不幸があった女性

私がこれを見て思い出すのは2つの例だ。

 

一つは、『無駄に喧嘩を売る勝気な女性』だ。外見が美しいのだが、生活態度が粗悪であり、無意味に乱暴なところがあった。必要以上に乱暴に振る舞い、男の前でも粗悪な態度を取る。

 

ある知人は、私の前でもそういう態度を取ると思う、と私に言ったが、もし私の前で取ったら単純に、それについての採算を合わせるだけだ。どんな手を使っても、私が何もしていないのに何かをしてくるんだったら、相手がたとえ女子プロレスラーであろうと、親がヤクザだろうと100%相手が悪いに決まっている。私は、(やってみろよ)という具合に、彼女らと合流して遊びに出掛けることがあった。

 

 

確かに彼女は『無駄に粗悪』だった。このタイミングでそれをやる必要があるのか、というぐらい、妙に違和感のある『取り繕い』をし、攻撃をしてくる。

 

だが、私は(なんだ、これくらいなら難なく対処できるか)と思い、いつも通り、それらの粗悪な現実を水で受け流すかのようなやり方で、その空間からなきものにした。例えば、私がかけた音楽を聴いた瞬間、それについて文句を言ったことに対し、

 

いやあ、でもその通りだから、彼女の言う通りにしていいよ。

 

と言って、かけた瞬間に、CDを取り出して違う音楽に変えた。このようにして、『おそらく器の小さい人間ならここで衝突する』ということを考え、(彼女が一体何をしたいのか?)ということを念頭に置きながら、彼女の無意味に攻撃的な態度に対し、対応していった。

 

先生

この女性は妙に人につっかかるんで、争いが絶えなかったみたいなんだ!だけど著者は知っていたんだね!『争えなかった人もいる』という事実を!
どういう人なんすか?

ハニワくん

先生

次で説明するね!

 

実は、私はその前にある事実を知っていたのだ。彼女が、とある不良の先輩から強姦されかけていた、という事実を。

 

つまり、彼女はそれ以来、特に男の前で、可愛くて隙のある女性を演じることに対し、強い反発感を覚えるようになったことは想像にた易かった。だから私は、そういうことも一つの参考にしながら、彼女と冷静に接していった。

 

 

彼女に散々自分勝手に悪態をつかれ、周りにいた人間も、本当に怒ったら怖い(怒ったところさえ誰にも見せたことがない)私との衝突を恐れつつ、自分達も振り回されながら、何とか目的地に着いた。

 

2時間ほどのドライブだっただろうか。私はその時間で、彼女のその悪態の陰にあるのが、わずかだが『か弱き女心』であることを垣間見ることが出来た。

 

彼女の荷物を持つと、最初こそ悪態の延長線上の態度で、

 

いいよ別に

 

と払いのけようとしたが、私がすかさず、

 

いいよ男なんだから

 

と言うと、彼女は何も言わず、バッグを私に預けた。

 

私はその時に確信した。彼女は『装っていた』のだということを。本当の自分をさらけ出したら、自分が恐れる現実に直面することになると。だが、心底の部分では本当の自分をさらけだし、乱暴などをしない誠実な男性と健全な付き合いがしたいと思っているということを。

 

先生

彼女は過去に強姦されかけていたんだね!そういう人の心境になって考える必要があるよ!やっぱりそういうことがあれば、か弱くて隙だらけの女性を演じてしまうことに対して、怖くなるよね!
つまり、カモフラージュすることで自分の身を守っていたんすね!

ハニワくん

この章のまとめ
  • この女性もカモフラージュすることで『敵』から自分の身を守っていた。

人格Bを装った吃音症の部下

そして二つ目は、『吃音症の部下』だ。私の部下が、吃音症をベースとして、ADHD、ADD、LD、うつ病、回避性人格障害、あがり症といったような様々な精神的問題を併発させているような、そう判断してもおかしくないような生活態度を送っている現実がある。

 

彼は幼少の頃に事故で兄を亡くし、実際問題で、被害者一家の一人である。だが、それが行き過ぎて被害者意識が高い甘えた他力本願的な人間に成り下がってしまい、数々の失敗を積み重ねてきた。

 

寝坊、嘘、捏造、誤魔化し、隠蔽、日常茶飯事だった。最近では、さすがに8年間という圧倒的な時間の指導の中で、さすがに顕著には現れなくなったが、本当に4、5年間ほどは、それらが常に顕著に現われるという、考えられない状況が続いていた。

 

 

先生

最初の数年間は本当にひどかったんだ!例えば、『僕は一生現実逃避をして生きていきます』とか、『僕は道具でいいです』というような発言を堂々として、うつむいたまま黙り込んで顔を上げないという、そういう状況が何度も何度も繰り返されたよ!
そりゃあまいった!

ハニワくん

 

私が彼によく注意する言葉に、こういうものがある。

 

順風満帆ぶるな、お前は

 

つまり、順風満帆な人生を送っていないのに、周りの人間に対し、順風満帆な人生を送っているように振る舞う癖があるのだ。

 

例えばレジの人、受付の人、電話越しの人、(特に相手が女性の場合は顕著)に対し、少し高圧的な態度で、まるで

 

俺、結構金もあって、生活に余裕もあって、お洒落で、言葉遣いも最新で、流行をわかってて、結構いけてるよね?

 

とでも言いたいかのように、声のトーンから話し方まで、私と喋るとき、あるいは仕事で普通の男性と話すときとは全く違う態度になるのだ。

 

 

その他にも、自動販売機のボタン、ゲームセンターにあるゲームのボタン、エレベーターのボタンなどを無意味に3,4回強く音を立てて押すときは、決まって周りに女性がいる。つまり、彼の中でその様な態度を取ることが、女性に対するアピールであることが一目瞭然なのである。

 

これを考えた時、私は『順風満帆ぶるなお前は』と言うわけだが、その言葉は、

 

順風満帆ぶるな。ぶるのではなく、実際に順風満帆な人生にする為の努力をしろや。その努力もしないで、なぜこうして他人に自分が有能であるかのように見せる。

 

もしお前がそれでその女性をナンパしたとしよう。お前、その女性をエスコートするだけの甲斐性はあるのか?どこに連れていく?どうもてなす?何か特技はあるのか?持ち家は?金はいくら持ってんだよ。女性の前で見栄を張る前にやるべきことがあるだろう。』

 

という意味なのである。

 

そもそも、女性の前で強気に出て、少し粗暴な態度を取ること=男らしい、思っている時点で認知の歪みが起きていることを思い知る必要がある。大抵の女性は、見知らぬ、しかも外見的魅力が流行のそれとはまったく違う、30歳を過ぎたこの部下に対し、

 

なにこいつ無駄にうざいんだけど。

 

と思うに決まっているだろう。自分一人だけがそのような演技に酔いしれて、満足しているのである。

 

 

彼は、この社会恐怖の人の特徴のように、『自分が無知で無力であることを見抜かれたくない』という考え方を持っている。だから表層を取り繕い、『人格B』を演技し、順風満帆な人生を送っているように人に見せているのである。

 

先生

人格Aが本来の等身大の自分だとした場合、Aに自信がない人ほど、Bという『自分が憧れている・理想としている別人格』を演じてしまう傾向があるね!
これもある種のカモフラージュっすね!

ハニワくん

この章のまとめ
  • 人格Aが本来の等身大の自分だとした場合、Aに自信がない人ほど、Bという『自分が憧れている・理想としている別人格』を演じてしまう傾向がある。

自信とは、『自分を信じる』と書く

私はその女性の件も、この部下の件も、また、例には出さないが私の家族全員を見渡してみても、このようにして『人格B』を演技し、本当の自分を包み隠す人というのは、本当の自分に自信がないからだという印象を強く受ける。

 

しかし、だとしたら単純に、『あがり症の改善に必要な『自信』とは』に書いた様に、自分に自信を持てばいいだけだ。

 

自分に自信が持てない?そんなのは当たり前だ。

 

等身大の自分で生きて、恥をかき、それを克服し、振り返ってそんな自分の足跡を見たときに、試練に屈さず乗り越えた自分を信じることができる。それが自信の正体だ。

 

それなのに、まずの段階で『等身大の自分』で生きることを避け、違う人格を演じているのだ。それでは一生『自信』などつくわけがないだろう。

 

先生

自分を信じよう。自分を信じるために、小さなことでもいから成功体験を積み重ねよう。そうすれば必ず振り返ったときにそんな自分を誇りに思うことができるよ!それが『自信』の正体なんだ!
うーむ、なるほど!

ハニワくん

この章のまとめ
  • 自信の正体とは、自分がやってきたことを信用する心。
  • 『等身大の自分』で生きることを避け、違う人格を演じている人に一生『自信』などつくわけがない。