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ニキビに消毒液は有効?例えばマキロンで治療できるのか

ニキビはマキロンで治療できる?

殺菌成分は確かにある種のニキビに有効ですが、そもそも『傷をマキロンで消毒する』考え方は、もう時代遅れになってしまっています。

マキロンを使ってニキビを治療するということは、

 

  • 善玉常在菌も殺してしまって逆に治癒力を低下させる
  • 揮発性があるがゆえに乾燥してしまい、ニキビを悪化させる
  • 接触性皮膚炎になる可能性がある

 

等の理由であまり推奨されません。

先生

殺菌効果があることは注目したいけど、傷を殺菌する考え方がもう古いんだ!詳しく解説するね!
先生に任せれば大丈夫っす!

ハニワくん

マキロンの殺菌・消毒効果

ニキビ

ニキビにマキロンを使って殺菌・消毒をしたい気持ちはわかりますが、現在その方法は専門医によって推奨されていません。まず理解したいのは下記の『オロナイン』と同じように、マキロンは『ニキビに特化した薬』ではないということです。

 

035.ニキビ 消毒 オロナイン 効果

 

往々にして、そのように特化した薬ではない場合は『万能薬』なのですが、万能であると同時に、一つの症状に対する治療効果も劣ります。ですから、そもそもがマキロンはニキビに劇的に効く薬ではないのです。

 

 

マキロンの効能を見てみましょう。

効能・効果

切傷、すり傷、さし傷、かき傷、靴ずれ、創傷面の殺菌・消毒、痔疾の場合の肛門の殺菌・消毒

 

殺菌効果がありますね。ですからたしかにマキロンは、ニキビの原因である『アクネ菌』を殺菌してくれます。アクネ菌が皮脂を餌にして増殖し、炎症するとニキビになりますから、そのアクネ菌を殺すことはメリットがあります。しかし、それと同時に皮膚の善玉常在菌も殺してしまうことになり、皮膚状態を正常化させることの足を引っ張ります。

 

  • STEP.1
    アルコールで除菌する
  • STEP.2
    善玉常在菌まで殺菌してしまう
  • STEP.3
    警備隊がいなくなる
  • STEP.4
    様々な感染症にかかるリスクが上がる

 

 

またそれはアルコールに限った話ではなく、洗顔・洗体・洗髪においても同じことです。シャンプーやボディシャンプー等を使って過度にそれらを行うことで、同じような現象が起こります。

  • STEP.1
    過剰に洗髪・洗体・洗顔する
  • STEP.2
    皮膚にある善玉の常在菌も殺す

    あるいは皮脂が過剰に洗い落とされる。

  • STEP.3
    皮脂が過剰分泌される
    細菌が分解する脂肪酸が増加する。
  • STEP.4
    薄毛になる
    臭いの原因となる。

カギは『善玉常在菌』ですね。殺菌というぐらいですから、それらの善い細菌も殺してしまうことになるので、それによって警備隊がいなくなれば、やはり皮膚や頭皮の警備が薄くなり、犯罪が多発してしまいます。それが肌荒れやニキビ、薄毛や体臭ということなんですね。

 

先生

マキロンでもアルコール消毒液でもなんでもそうだけど、アルコールで消毒するということがあまり推奨されないんだね!
なるへそ!

ハニワくん

この章のまとめ
  • マキロンは『ニキビに特化した薬』ではない。
  • アクネ菌を殺すと同時に皮膚の善玉常在菌も殺してしまう。

傷の消毒は『時代遅れ』

下記の記事にも書いたように、現在傷の消毒というのは『時代遅れ』になっています。それよりも推奨されているのは『キズパワーパッド』などによる『自然治癒の手助け』です。

 

023.ニキビパッチ 予防 効果 使い方は

 

 

『10万円のクリームより効く「何もつけない」美肌ケア』にはこうあります。

例えば、もし転んでひざをすりむいたら、どのような傷の手当てをするでしょうか。傷を消毒するという人は、『一昔前の治療』をしていることになります。一方で、『キズパワーパッド』などの創傷被覆材(そうしょうひふくざい)を傷に貼って治療するという人は『新しい治療』をしていることになります。

 

今でも傷を消毒しているという人のためにお伝えすると、傷の消毒は、傷の治りを悪くすだけでなく、かえって化膿しやすくなることが明らかになっています。

 

ですから、そもそも『傷をマキロンで消毒する』考え方は、もう時代遅れになってしまっているのです。

 

マキロンの公式HPにはこうあります。

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/faq/faq_q13_q2.html

Q2マキロンsはどんな傷にいいのですか?

A2.マキロンsには、殺菌消毒の成分だけでなく、「傷の修復を助ける」「かゆみを止める」成分が含まれています。すり傷、きり傷、かき傷、靴ずれなどに効果的です。

 

たしかにマキロンも、殺菌消毒の成分だけでなく、「傷の修復を助ける」効果もあるとありますね。しかし、それでも最初に『殺菌効果がある』わけで、これによって善玉常在菌を殺し、傷の治りを悪くすだけでなく、かえって化膿するリスクを増やすということなんですね。

 

例えば、冒頭に貼ったオロナインの記事でも書きましたが、『オロナインで毛穴を綺麗にする』という噂話がありますが、その考え方については、医師が苦言を呈しています。

 

 

『オロナイン軟膏H』という『H』は、ヘキシジン(クロルヘキシジングルコン酸塩)のことで、殺菌効果があるもの。『たしかにそれを塗れば多少の殺菌効果を得られるかもしれないけど、毛穴に物が詰まっているというのに、そこにさらに物を塗ってどうするんだ』と医師は説明しています。

 

つまり同じ考えかたで、『たしかにマキロンを塗れば多少の殺菌効果を得られるかもしれないけど、その代償に善玉常在菌も殺してしまって警備を手薄にしてしまうことは、あまり良い傾向ではない』ということになるわけですね。

 

ニキビ

それであれば、先ほどのニキビパッチの方が合理的だと言えます。『ニキビパッチは、傷パッチ』だという見解がありますから、もしそれが本当にキズパワーパッドのように治癒力を高める効果がある場合は、ニキビパッチの方がいいですね。

 

ただし、ニキビパッチに関しては専門家が正式にそのような効果があると言っている記述が今のところありませんので、断言するのにもう少し時間が必要です。製品によっても違いがあるでしょう。

 

先生

ニキビパッチが本当に『傷パッチ』ならいいんだけど、そうとも断言されてないからね!というか日本の商品がほぼないんだ!
うーむ!

ハニワくん

この章のまとめ
  • 傷の消毒は『時代遅れ』。

市販薬を使う際の注意点

オロナインの記事のも書きましたが、市販薬をニキビに使う場合は注意点があります。『これでわかるニキビの治療とケア~安易に抗菌薬に頼っていませんか?~』(南江堂)にはこうあります。

(中略)市販薬を使ってニキビの症状が悪化した場合、ニキビ自体の症状が悪化して市販薬では抑えられなくなった可能性のほかに、ニキビ外用薬自体による悪化の可能性もあるので、症状の悪化をみた場合には速やかに皮膚科専門医を受診させることが望まれる。

 

(中略)一方で、エタノールやサルファ剤など接触性皮膚炎を起こす頻度の高い成分も含まれている。また、外用薬の中には疼痛の軽減効果を期待してリドカインなど局所麻酔薬を配合したものがニキビ外用薬のみならず白癬の外用薬などでも市販されている。

 

市販薬を使う場合は往々にして素人判断で使うことになります。確かに、それだからして市販薬というものは最初から効果が薄く設定されてあり、『毒にも薬にもならぬ』薬になっています。しかし、用法容量を守らず大量摂取したり、あるいはアレルギーがある人が組み合わせを間違って処方、塗布等した場合、炎症などの何らかの副作用が出る可能性があるのです。

 

ニキビ

ここで本にある、市販ニキビ外用薬に含まれる成分を見てみましょう。確かにこのような成分はニキビにも有効であるという解釈は一理あります。

 

市販ニキビ外用薬に含まれる成分

成分名 薬物名 主な働き
角質軟化剤 イオウ 硬く角質化した皮膚をやわらかくするとともに、殺菌力も有する
サリチル酸 角質軟化作用や殺菌作用を有する
殺菌・消毒剤 レゾルシン 殺菌作用と角質軟化作用、かゆみを抑える作用などをもつ
イソプルピルメチルフェノール 殺菌・抗真菌作用があるとされる
エタノール 殺菌・消毒薬
抗炎症・殺菌剤 イブプロフェンピコノール 抗炎症作用とリパーゼの働きを抑えることで裕理脂肪酸ができるのを押さえてニキビの効果をあらわす
サルファ剤 スルファチアジン 細菌の葉酸合成を阻害することで、抗菌作用をあらわす。皮膚の感染症の原因となりやすいブドウ球菌などの他、大腸菌にも効力があるといわれる
抗炎症剤 グリチルレチン酸、グリチルリチン酸(ジカリウム)
抗ヒスタミン剤 ジフェンヒドラミン
生薬 キキョウ、オウゴン
収斂・保護剤 酸化亜鉛
その他 アラントイン
カンフル

参照『これでわかるニキビの治療とケア~安易に抗菌薬に頼っていませんか?~』(南江堂)

 

ではマキロンにはこのうち何が含まれているでしょうか。

成分・分量

100mL中

  • ベンゼトニウム塩化物・・・・0.1g アラントイン・・・・0.2g
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩・・・・0.2g
  • 添加物:エタノール、塩化Na、pH調節剤、香料、チモール、l-メントール

 

エタノールですね。確かに、ニキビ薬に含まれるエタノールが入っていますから、殺菌・消毒の効果を期待することができます。しかしそれは言ったように『たしかにマキロンを塗れば多少の殺菌効果を得られるかもしれないけど、その代償に善玉常在菌も殺してしまって警備を手薄にしてしまうことは、あまり良い傾向ではない』ということになるわけですね。

 

ニキビ

更に、そのエタノールには『接触性皮膚炎』のリスクもあるとあります。つまり、肌体質が弱い人はマキロンに含まれるこのエタノールで肌荒れを起こしてしまう可能性もあるということになるわけですね。

 

先生

素人判断で色々とやってしまうと、何が起きるかわからないからね!薬の併用も組み合わせ次第では死亡することもあるよ!
うーむ!

ハニワくん

この章のまとめ
  • 市販薬を使ってニキビの症状が悪化することがある。
  • エタノールには『接触性皮膚炎』のリスクもある。

乾燥するとバリア機能が低下する

更にこのエタノールというのは揮発性の高い成分です。

 

辞書 揮発性(きはつせい)

すぐに蒸発する性質。

 

ですから、アルコール消毒液などを手に刷り込んだ後は、すぐに蒸発して乾き、手を拭く必要がありませんよね。エタノール等のアルコール類は揮発性が高いがゆえに、すぐに蒸発して乾くのですが、それはつまりそこにある水分(液体)を『気体』に変えてしまうということで、水分がなくなってしまいます。つまり、『乾燥』ですね。

 

肌が乾燥すると、バリア機能が低下する形になるので、その場所が外敵から身を守れず、炎症を起こしやすくなります。ではここで、ニキビができる原因を見てみましょう。

 

ニキビができる原因(内因性)

ホルモンバランスの変化

睡眠不足、夜更かし

運動不足

偏った食生活

ストレス

便秘

 

ニキビができる原因(外因性)

肌に合わない化粧品の使用

皮脂や汗などの皮膚の汚れ

活性酸素

 

その他

乾燥

薬の常用

 

ニキビは乾燥によってもできるのです。つまり、マキロンを使ってニキビを治療するということは、

 

  • 善玉常在菌も殺してしまって逆に治癒力を低下させる
  • 揮発性があるがゆえに乾燥してしまい、ニキビを悪化させる
  • 接触性皮膚炎になる可能性がある

 

等の理由であまり推奨されません。

 

先生

以前、ニキビは乾燥させてイオウカンフルローションを塗れば治ると言われていた時代があるけど、今では考えられないことなんだ!
うーむ、なるほど!

ハニワくん

この章のまとめ
  • アルコール類は揮発性が高いがゆえに、すぐに蒸発して乾き、乾燥肌の原因となる。
  • 乾燥するとバリア機能が低下する。

プラシーボ効果の力

20年前、知人が『マキロンだと思ってCDクリーナーを塗布したら傷が治った』と言っていましたが、ここにあるのはプラシーボ効果です。

 

辞書 プラシーボ効果

思い込みによる効果。

 

プラシーボ効果については下記の記事にたくさん書きましたが、一部を抜粋しましょう。栄誉ある賞を多々受賞し、卓球選手としてオリンピックにも2度出場し、オックスフォード大学を首席で卒業したマシュー・サイドの著書、『非才』にはこうります。

プラシーボ効果

 

第二次世界大戦中、連合軍は1944年のはじめにイタリア北部のアンツィオに急襲をけしかけた。この作戦は破滅的な結果になり、アメリカ軍はポッツォーリの洞窟に一週間以上こもるはめになった。ハーバード出身の若手医師ヘンリー・ビーチャーは、上陸拠点に設けた仮説の野戦病院で、つぎつぎとやってくる負傷兵たちの治療の指揮に当たった。

 

だが負傷者の数はあまりにも多く、ビーチャーのものにあった麻酔薬はすぐに尽きてしまった。傷口の開いた兵士を前に、処置を急ぐ必要があったビーチャーは、看護婦に銘じてモルヒネの代わりに食塩水を注射させた。投与された麻酔薬がちゃんと効いたと思い込んだ患者は、横たわって手術を待っていた。それから起こったことは、のちに医学界を揺るがすことになる。

 

兵士は食塩水の注射で楽になっただけでなく、『本物』の麻酔薬を投与されたかのように、手術の苦痛にも耐えられたのだ。それから数週間、ビーチャーは数十人の負傷兵で結果を再現することになった。どの兵士も、血管を流れるのはただの食塩水だったが、奇跡のような克己心と見受けられるものをもって手術のショックを耐え抜いた。帰還したビーチャーは『強力なプラシーボ』と題した論文を書いた。

 

 

この兵士も、私の知人と同じように、単なる食塩水で激痛のはずの手術を麻酔なしで耐えることが出来ました。人間のプラシーボ効果というのはとてつもない力を持っているのです。

 

ニキビ

『傷を消毒で治すのは時代遅れ』なのであれば、マキロンは一体何に使えばいいのでしょうか。マキロンは人間の身体の消毒に使うのであり、道具や物に使う場合は、『無水エタノール』等の商品があるわけです。

 

 

人間にはプラシーボ効果の絶大な力があります。もし、『マキロン神話』を心底から信じている人がいる場合は、無理にその使用をやめる必要がないのかもしれません。ただ、原理としては間違いなく、『傷を消毒で治すのは時代遅れ』であるということを覚えておきましょう。

 

先生

このプラシーボ効果は個人的にとても興味があるんだ!もしかしたらあまりにも有名なあの人間の偉業や奇跡は、これが関係しているかもしれない!
うーむ、深い!

ハニワくん

この章のまとめ
  • 人間のプラシーボ効果というのはとてつもない力を持っている。